FC2ブログ
さらし文学賞
スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |


「き」「れ」「か」「け」「の」「け」「い」「こ」「う」「と」「う」


 れかけの蛍光灯がチカチカと瞬いている。天井が低く光源が近いからだろうか、余計に目が疲れるように感じる。すぐに取り替えればよいだけの話なのだが、なにせこの蛍光灯、まだ買って三日目なのである。それが余計に男を苛立たせる。
化品を掴まされたな。大方、展示用にでも使われていたのだろう。だから安いだけで決めるのは感心せんと云ったのだ」
い物の荷物持ちもしない人に云われたくないわね。別にいいじゃない、切れるまで使いましょうよ。どうせ食事どきにしか居間にいないくせに」
 ろりとした顔で云い返す女。実際、男がこの居間を使うのは食事どきを除いては滅多にない。しかも朝や昼は蛍光灯をつける必要すらないわけで、時間にして三十分もないのだ。そんなに嫌ならのんびりしてないで自分で行けばいいじゃない、とぼやく。それを耳聡くも聞きとった男は激昂した。
んびり、だと! 毎日忙しく働いてるのは誰のためだと思ってるんだ! さっさと行ってこい!」
 光灯は男の言葉に応えるかのようにひと際激しく明滅した。
きたければ行ってくればいいじゃない。私はまだ家事が残っているんだから。まさかそこでふんぞり返ってるくらいしかできない、なんてわけじゃないでしょう?」
 の女の挑発の一言が完全に男の怒りを爆発させてしまった。
るさい! もう黙っていろ!」
 突に男は天井に手を伸ばして蛍光灯を引っ掴み、抜き取った勢いそのままに女の頭部へ振り下ろした。バシンと音を立てて蛍光灯は割れ、女は気絶した。男は荒い息を整え、ふん、と鼻をならしてからぽつりと呟いた。
ん、なんだ、案外役に立つじゃないか、切れかけでも」

スポンサーサイト

第二十七回さらし文学賞 | trackback(0) | comment(0) |


| TOP |

comment











管理人のみ閲覧OK


trackback

trackback_url
http://pilloryofprize.blog57.fc2.com/tb.php/255-a67afbac

| TOP |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。